2020年1月31日(金) 14:00 ~ 17:00
Creative cast セミナールーム
品川インターシティフロント4階
「デザインマネジメント」とは、すべてのビジネスプロセス(技術開発、製造、マーケティング、広報、製品、広告宣伝、販売方法、アフターサービス、…)においてデザインを経営の中心に置くこと、すなわちデザインを企業経営に統合するための経営手法です。
単にツールやフレームワークを活用するという一時的な活動ではなく、より継続的な活動です。プロジェクトに関わるすべてのメンバーがデザインへの理解を深め、デザインの有効性を共有すること、その上で、経営者から現場の担当者までがデザインを経営の中心に置く活動に関わることにそのエッセンスがあります。
デザインマネジメントという概念の歴史は古く、今日の欧米の成長企業であるアップル、グーグル、アウディ、ダイソン、スターバックスなどはデザインマネジメントを当然のこととして実施しています。一方かつての日本では、多くの企業が技術を中心とした経営手法を取り、「精度の高い技術で、良い製品をリーズナブルに作る」ことで利益をあげることができましたが、こうした経営手法による経済的な効果が薄れてきたことに、多くの人が気づき始めたことが原因で、デザインマネジメントに関する関心が急激に高まってきています。
新規事業開発においては、「イノベーション」によって新しい価値を提案することが必要である、という問題意識を持って取り組んでいる方も多いと思います。
イノベーションは、大きく「持続的イノベーション」と「破壊的イノベーション」の2つに分類されることが知られています。持続的イノベーションとは、企業の既存の顧客の要求を満たすために、既存の製品をバージョンアップさせる行為のことで、日本国内の企業が最も得意とする領域です。反対に破壊的イノベーションとは、たとえ製品の性能が既存のサービスより低くても、新しい使い方や、新しい価値観を与える製品が既存の市場を破壊し、新たな市場を獲得することです。
同じイノベーションでも、持続的イノベーションと破壊的イノベーションでは、アプローチの方法は異なります。持続的イノベーションは、既存の顧客をマーケティングリサーチすることで、次の改善点が見えてきますが、破壊的イノベーションの場合は、まだ手法が確立されていません。そこで注目されているのが、「デザイン思考」です。デザイン思考は、デザイナーが持つ対象の見方や問題解決の思考法です。
このデザイン思考については日本でもいろいろな形で紹介され、学習する機会も提供されています。しかしながら、このデザイン思考について学んでも、実務にどのように生かせば良いのかわからないという方は少なくありません。これまで開催してきたデザインマネジメントセミナーでは、経営にデザインを生かす手法であるデザインマネジメントの考え方を知ることで、デザイン思考を活用するヒントを得ることができたという声を多数頂いています。
こんな方にもおすすめです
デザインマネジメントという考え方が、「デザイン」をどのように定義し、「デザイン」と「経営」の関係をどのようにとらえているのか解説します。
デザインマネジメントの考え方は、「VUCAの時代」と言われる現代の新規事業開発にきわめて有効です。その理由をご紹介します。
デザインマネジメントを新規事業開発にどのように活用できるのか、実例を交えてご紹介します。
参加者の皆さんが携わっている(過去に携わった)新規事業開発プロジェクトの状況や課題感を「デザインマネジメント 診断カルテ」に整理・記入いただきます。その後、会場への共有・ディスカッション・講師からのフィードバックを通じて、プロジェクトを前進させる方策を可視化していきます。「デザインマネジメント 診断カルテ」については当日提出頂き、後日参加者の皆様にフィードバックコメントとともに返送いたします。
「新規事業開発に取り組んでいるがなかなか進まない」「新規事業開発にもう一度挑戦したいが、今度は失敗できないので踏み出せない」といった課題をお持ちの経営者・プロジェクトリーダーの方は多いのではないでしょうか。
今回のセミナーは、「デザインマネジメント」の基本的な考え方を紹介するとともに、デザインマネジメントが新規事業開発になぜ有効なのか、デザインマネジメントの考え方をどのように新規事業開発の推進に活用できるのかを、実例を交えながらご紹介します。
さらに、セミナーの後半では参加者の皆様にデザインマネジメントによる問題発見・課題解決の方向性の設定についての理解を深めていただくためのワークショップを実施します。このワークショップでは、参加者の皆さまが企業やプロジェクトで抱える問題点はどこにあるのか、問題点を解消するための方向性のヒントを見出していただくこと、またデザインマネジメントの有効性を感じて頂くことをゴールとします。
1973年4月22日生まれ 福島県出身。デザインマネジメント専門家。ブランディング・クリエイティブ業界での実務経験23年。ブランドコンサルファーム、クリエイティブプロダクション、広告代理店にて、デザイン マネジメントの知識と経験を養い、広義なデザイン(人、環境、モノ、仕組み、問題提起、コミュニケーションツール) のデザイン マネジメントのあり方と技術を磨く。
ブランドコンサルファームの創業立ち上げ支援、最高執行責任者を経て、株式会社かたちなきものを設立。後進の育成や日刊工業新聞社、大学など、各方面で講師活動も精力的に行っている。
「デザインマネジメント」を軸に、
ビジネスパーソンが学びながら成長し、
楽しくクリエイティビティに溢れ、
価値のあるコンテンツや
ソリューションを生み出す場の創造を目指す
“VALUE LABO”プロジェクトを始動します。
VALUE LABOでは、
「デザインマネジメント」の活用と組織への浸透を通して、
組織の独自価値(Only One Value)の
創造に貢献する活動を展開していきます。